仙禽 かぶとむし を飲んだ

素晴らしい日本酒漫画「いっぽん!!〜幸せの日本酒〜」でも紹介されているこのお酒。

昨日、急に仙禽が飲んでみたくなり、わざわざ京都の市内まで出て買いに行きました。3種類ほどありましたが気になっていたかぶとむしをチョイス。

面白いラベルですね。この「かぶとむし」は夏酒として醸されていて、毎年このぐらいの時期に出ているようです。夏酒だから、かぶとむし、ということのようです。

裏には洒落たメッセージと酒質について書かれています。僕の少年時代についてはもうすっかり忘れてしまいました。

精米歩合50%だからこれすなわち大吟醸なんですよね。しかも無濾過生原酒の中取り。しかしそれらを全く主張しないラベルにしたところは流石というか、感服いたしました。多分、そんなゴチャゴチャと難しいことよりも「かぶとむし」っていう銘柄そのものを感じて欲しいんだと思います。更にフランス語と英語の説明まで。

つまりこの酒は、日本の酒に詳しい人だけの酒じゃないんです。よく知らない日本人も、世界中の方にも向けたお酒なんですね。きっと。

さて、まずは香りから。予想通りフルーティな香り。で、飲んでみるとまず感じるのは大げさすぎるほどの酸味(思わずマジか!!と思った)。そしてぶどうのような米の旨味。第一印象は「ワイン?」と思ってしまうほどの、強い果実感を覚えます。特に酸味の扱いが上手い。こんなに強烈な酸味でも、ぶどうのような旨味がベースにあるから、上手いこと合わさって「甘酸っぱいね」という感想になるのです。いや〜面白い。

さらにこいつは原酒ですがコクはかなり抑えられており、最後には強めの辛味でキレを演出しています。これがまた暑い時期に合う。端的に言うと「さっぱりして、甘酸っぱい」清酒になっているわけです。これが夏に合わないはずが無いですね。

ただ悩んだことが一つ。それは「これ一体どの料理と合わせればいいんや...」ということです。この日は和食の日で、和食だけ作ってたのですがどうにも合わない。スモークサーモンを冷蔵庫から引っ張りだして合わせてみてもちょっと微妙。食前酒には間違いなく良いですが、実際にどんな食べ物と合わせれば良いのか。これについてはどなたかにご教授頂きたいところです。

日本酒の可能性を押し広げた面白いお酒だと思います。これからの時期に是非どうぞ。