MT-09 インプレッション
慣らしが終わり、思いっきり振り回せるようになりました。最近峠道走りまくって大体の挙動掴んだのでレビューしたいと思います。
エンジン
エンジン音はかなり独特ですね。「ﾋﾞｭﾛﾛﾛ~」といった不思議な音が聞こえてきます。回すと音は4気筒っぽいですが、若干濁った音です。
加速
めちゃくちゃ速い。下からいきなり湧き出る力強いトルクと、一気に吹け上がるエンジンフィールで軽い車体を勢い良く前に押し出し、まるでロケットのように加速します。これは大型ツアラーのような安定感のあるどっしりとした加速とは対照的で、かなりヤンチャな感じです。後述しますがAモードにすると前輪が簡単に上がるぐらいのドッカン加速をします。
SSと違い下からのトルクがあるので、立ち上がり加速も非常に良く、特に頑張って高回転を維持しなくても、イージーにコーナーを立ち上がれます。低速コーナーもかなり得意で、軽い車体をクイッと曲げた後、一気に立ち上がり、高回転志向なSSが回転を上げようとしている間に引き離してしまいます。
燃費
リッター20ぐらいですね。高速メインだともっと伸びると思います。ただしタンク容量が小さいため、ちょっと頻繁に給油する必要はありますね。200kmぐらい走ったらもう給油したい気分になります。
パワーモード
このバイクには3つのパワーモードが用意されています。
STDモード
スタンダートモード。このバイクで最も使うモードです。Aモードほど過激ではないが、Bモードほど穏やかでない中間点に当たります。僕は普段これで走ってます。峠道もこれです。
Aモード
フルパワー。スロットルレスポンスが向上し、かつ加速がかなり鋭くなります。一速で勢い良くスロットルを開けると余裕で前輪が浮きます。
パワーが出て面白いのですが、いかんせんスロットル開度に対してパワーが出すぎるので、町中は勿論、峠道でさえちょい扱いづらいです。峠道だともう少し細かくパワー調整できたほうが安定すると思うので。慣れるとまた評価が変わってくるかもしれません。
高速道路だとガンガンパワーが出るのでいい感じです。
Bモード
穏やかモード。町中、雨天に使用すると便利なモードです。スロットルレスポンスがかなり穏やかになり、開度に対してパワーが抑えられます。
僕は普段余り使いませんが、雨の日はすかさずこれを使います。ウエット路面でも運転しやすいのでホント助かります。
サスペンション
フワフワしていて、モタードのようなサスペンションです。このフワフワが、路面の状況をかなり細かくライダーに伝えてくれます。路面状況が手に取るようにわかるので、どれ位バンクさせるかがとても判断しやすく、コーナリングの安心感にもつながります。このサスのお陰で相当曲がりやすいです。またこの特性のため、ライダーが積極的に姿勢を作り、サスを豪快にストロークさせ、曲がっていく楽しみがあります。
コーナリング
めちゃくちゃ曲がる。低速コーナから高速コーナまでなんでもこい。路面にギャップがあろうがよく動くサスのお陰でお構いなしで、SSやツアラーだったら怖くて躊躇するような路面状況であっても「だからどうした」と言わんばかりに飛び込んで曲がって行けます。サスが柔らかいので倒しやすく、さらにトルクを活かした鬼立ち上がりで、他のバイクに一気に差を付けます。
ブレーキ
必要十分。もっと止めたければパッドを変えるぐらいで問題なさそうです。
ABS
ABSは初めてなのでなんとも言えないですが、やっぱりあったほうが良いですね。緊急時に役立つというのも勿論ですが、コーナリング前のブレーキングをちょいミスした時のリカバリにも役に立ちます。そりゃ極めれば人間の方がいいブレーキングができるのでしょうが、僕はレーサーでもなんでもないし、一般ライダーもABSより効率よいブレーキング出来る人が大多数ではないと思うので、ABS付きを選択したほうが良いかなと思います。
総評
本当に面白いバイクです。低回転からトルクフルな3気筒エンジンという特性に加えて、めちゃくちゃ曲がる車体。おそらく誰が乗っても「面白い！」と感じると思います。結構過激なのでツーリングは疲れる？と初めは心配だったのですが、ゆったり走ることもできるので何の問題もありませんでした。ヤマハは本当にとんでもないバイクを作ってしまったんだなと感心してしまいます。MT-09は間違いなく日本製バイクの傑作であり、多くのライダーに受けいられるバイクに仕上がっていると思います。特にベテランライダーにおすすめしたいですね。バイクの楽しさを再確認できるバイクです。
これまで色んなバイクに乗ってきましたが、MT-09はその中でも最も楽しく、素晴らしいバイクであると自信を持って言えます。なんとなく気にはなってる方、普通のバイクにあきた方は、とにかく試乗をしてみることをオススメします。
